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イギリスのEU離脱ーー

最後の最後まで拮抗した投票は、残留派48.1%,離脱派51.9%という結果で、離脱派に軍配が上がった。

EUは,1993年11月1日のマーストリヒト条約発効によって誕生。

第二次世界大戦後もその余波が影を落としていたヨーロッパがひとつになり、各国が力を合わせて発展しようとする試みに対し、平和にとってもユーロという通貨がドルに台頭する意味でも、かなり好意的な意見が多かったように思う。

わが国に目を向けると、1993年といえば、1991年に起きたバブル崩壊の余波をまだ色濃く残しながらも、雅子妃殿下ご成婚や外国人力士・曙の横綱昇進、レインボーブリッジ開通など、暗い世論にようやくほのかな明かりが灯り始めた頃だったのではないだろうか。
当時中学生だった筆者は、まだ世の中のことよりもアニメに熱を上げる平凡な(?)むすめであったが、そんな筆者でもEU誕生は衝撃的なニュースであったし、キラキラ光るユーロ紙幣には胸が躍ったものだ。

あれからたった20年余りで、これほどまでにEUがズタボロになるとは・・・。

それはあたかも、清らかな少女期の思い出の写真に、油性マジックで鼻毛を落書きされたような、何ともやるせない気持ちの筆者である。

・・・とまぁ、冗談はこのくらいにして、今回はこの先ヨーロッパをはじめ、世界がどうなっていくのかを考察してみようと思う。

考察の参考に使わせてもらうのは、こちらの本。

「2050年の世界 英「エコノミスト」誌は予測する」

2050年の世界―英『エコノミスト』誌は予測する

表題でお分かりの通り、この本はエコノミスト編集部より2012年に出版されたものだ。

エコノミスト誌といえば、表紙のイラストがその後1年の予言になっているという噂が有名なのは、読者諸氏の知るところであろう。

本ブログでも今年の1月8日に、その噂を取り上げた記事を掲載しているので、こちらも合わせてお読み頂ければ幸いである。

さて、話題を2050年の予測に戻して、紹介した本にはエコノミストならではの興味深い予測(予知?)が記されている訳だが、その中から筆者が幾つかの予測をチョイスしてみた。

①最終的には世界的規模で無宗教化が進む。

②民主主義は、先進国において後退し、新興国において前進するだろう。

③各国間の格差は縮小し、国内の格差は拡大。

④距離は死に、位置が重要になる。

以上に挙げた4つのお題を念頭に、今回の英国EU離脱に目を向けてみよう。

国内に難民が押し寄せたヨーロッパ各国を鑑みると、ただでさえ雇用が不安定だった処に外からさらに人が流入し、競争率が増す中移民を疎ましく思う国民感情からは、すでに民主主義の精神が薄らいでいるように感じられないだろうか。

平等を求め他国へ流入する難民と、それを嫌がる先進国の構図は、まさに②の予測に当てはまる。

更に言えば、大勢で少ない雇用に群がる様子は、③の予測をも満たしているだろう。

今はまだ、国家間の格差のほうに目が行くが、紛争がある程度収束し、他国からのODA(政府開発援助)により復興が進みインフラが整備され、経済的自立の軌道に乗れば、紛争地域・新興国とてめまぐるしい発展を見せるのは必至だ。

しかしながら、いつになれば潤沢なODAが新興国に惜しみなく注がれる日がくるのだろうと考えると、思考が停止してしまう。

読者諸氏の中には恐らく、現状でも新興国には十分な資金があてがわれているではないか?とお考えになるかたもいるだろうが、良く考えてみて欲しい。今現在、紛争やその他国家間におけるキナ臭い案件に対して振り分けられている予算がそのまま新興国へ流れたら、国家間の格差など、一気に消滅するのではないだろうか?

それを阻止しているのは、不幸にも上記④の、「距離は死に・・・」であろう。

これが顕著に出ているのは、テロの指示形式である。

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近年のネットやSNSの進歩により、テロの指示母体が、それこそ行ったこともないような遠い国にあっても、ネットで繋がってさえいれば、どこにいても指示が仰げる。

そして、ネット上の情報に感化され、実際の指示がなくても作戦を遂行する「模倣犯」による犯行も増えてきている。

筆者が推測するに、各国間の格差が少なくなるに連れ、国内から民主主義の意識が薄れ、米国をはじめとする連合国の洲よりももっと細分化された、グループ間における「国内紛争」が増加していくのだと思う。

これらグループのあり方としては、実際に居住区を形成する場合もあるだろうし、近代テロのように情報空間で繋がる場合もあるだろう。

①の、「最終的には世界的規模で無宗教化が進む」に至っては、少し考える余地を残す。

もしかしたら高速で飛び交う情報網の中で、宗教が簡略化・簡素化されていくのかもしれないし、主張の激しい宗派同士が独自のテリトリー内に納まり、単に土地の奪い合いであるとか、主張の強引な押し付けが減っていくということなのかも知れない。

SF小説の中などでは、未来には異なる宗教が統合された新宗教が起こる、などという記述も見かけるが、それもまた面白いだろう。

英国の騒動後、しばらくは世論がゴタゴタするだろうが、落ち着いて行く末を見守りたい。

ところでみなさん、エコノミスト2016の表紙の中に、今回の離脱を示唆する部分はあっただろうか?

エコノミスト

もし何か発見したというかたがいたら、是非筆者にもお聞かせ頂けると嬉しい。

それではみなさん、共に激動の時代を頼もしく生き抜こう!

グッドラック!!

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