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たまに2chなどでも取り上げられ、物議を醸す聖書の一片があるのを、みなさんはご存じだろうか。

以下がその聖句。列王第二2:23―24である。とりあえずご覧頂きたい。

「彼が道を上って行くと,その都市から出て来た小さい少年たちがいて,彼をやじりだし,彼に向かって,『はげ頭,上って行け! はげ頭,上って行け!』と言い続けた。ついに彼は後ろを振り返り,彼らを見て,エホバの名によって彼らの上に災いを呼び求めた。すると,森の中から二頭の雌熊が出て来て,彼らのうち,四十二人の子供たちを引き裂いた。」(列王第二2:23,24)

・・・酷くない?

ねえ、酷くない!?

いくらハゲ頭とからかわれたからといっても、相手は子供だよ?

しかも42人の子供を引き裂いたって・・・(汗)

一体誰なんだ、この大人気ないハゲは!

ちょっとイラッとしたので、詳細を調べてみました。


 

ハゲ頭と言われてキレたのは、エリシャという名の預言者。

エリシャ(ヘブライ語:אֱלִישָׁע)は旧約聖書の登場人物で、紀元前9世紀代のイスラエル王国で活躍した預言者である。「シャファトの子エリシャ」として『列王記上』の19章で初出する。彼の活動期間中、イスラエル国王ではアハズヤヨラムイエフヨアハズヨアシュと国王が変遷している。彼は預言者エリヤの弟子として有名で、師の遺志を受け継いで国内に蔓延していた偶像崇拝との戦いに邁進した。また、様々な奇跡を行ったことでも知られている。(Wikipediaより)

エリシャの親シャファトは、アベル・メホラの農民だったようだ。

そして彼が行ったとされる奇跡は、以下のような現象である。

  • エリコの町の水源を塩で清めた(2:19~2:22)。
  • 油を増やして寡婦とその子供たちを貧困から救った(4:1~4:7)。
  • シュムネの婦人の子供が死んだ際、その子を生き返らせた(4:18~4:37)。
  • 毒物の混入した煮物を麦粉で清めた(4:38~4:41)
  • パン二十個と一袋の穀物を百人の人間が食べきれないまで増やした(4:42~4:44)。
  • アラムの軍司令官ナアマンの皮膚病をヨルダン川の水で癒した(5:1~5:14)。
  • 水の中に沈んだ斧を浮き上がらせた(6:1~6:7)。

うむむ・・・、さすがエリヤの後を継ぐ預言者。パワーは本物のようだ。

しかも彼は預言者らしく、多くの人命を救っているではないか・・・。

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聖書の解釈とは実に難解なもので、当時使われていた言語を網羅していないと真実が読み取れない点も多い。Wikipediaには先に挙げた聖句に対し、更に興味深い解釈があった。

子供たちが「עלה קרח」(新共同訳:「禿げ頭、上って行け」)と言ってエリシャをからかったのは、彼の外見上の特徴を見たからだと受け取れる。だが、一部の注釈家たちによれば、子供たちはエリシャが自分たちの町の収入源をהקריח(禿げさせた、不毛にした)から、このような野次を飛ばしたと解説している。つまり、エリシャによって水を清められるまで、エリコの住民は彼らの町から水を買っていたというのである。また、エリシャの業績が忠実に『列王記下』の記述に反映されているならば、彼がエリヤと死別したのはまだ青年期の頃であったと推定される。よって、その直後に浴びせられた子供たちの野次は、彼の容姿には関係なかったとも考えられるのである。

――この解釈はどうだろう?

これだと子供たちが彼を「ハゲ頭」と必要に罵った理由がしっくりくるような気がする。

上記にある“水を清めた奇跡”は、まさに“ハゲ罵倒事件”の直前に起こされているのだ。

聖書を確認すると、エリコの町の水は穢れており、そのせいで流産を引き起こしていた。・・・とある。

エリシャは水の水源に塩を投げ入れ水を清め、赤子の命を救ったわけだが、そのせいで収入源を断たれた人々がいたとしたら、彼等はエリシャを酷く憎んだであろう。聖句の中の“上がって行け”とは、“天に召されろ”という意味もある。

加えて、エリシャを嘲笑した“小さい少年たち”だが、エリシャが聖人だと知っていた者たちが、清き存在である子供たちをあえてけしかけ、エリシャを困憊(こんぱい)させる手段に出たと考えるパターンや、聖書内では信者=子らと表記する例から、小さい少年=精神の未熟な、器の小さい者たちと考えるパターンもあるのではないだろうか。

解釈のパターンは尽きないが、真相は本人(エリシャ)のみが知るといったところだ。

ちなみにエリシャは、死後にも自らの骨で死者を甦らせる奇跡を行っている。

もしかしたら“あの時”八つ裂きにしてしまった42人の子供らは本物の少年たちであり、エリシャは後悔の念から死んでも死にきれなかったのかも・・・???

みなさんも聖書を手にする機会があったら、是非パラパラとめくってみて欲しい。

分厚いバイブルの中には、興味深い聖句がまだまだ潜んでいるはずである。

 

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